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母に「彦根の町をばっちり観光する」という名目(100パーセント口実(笑))で、親子二人旅にこぎ着けたのは5月頃。2泊3日で設定し、せっかく西に移動するのだから最終日は京都観光をすることで母を落とせた・・・と、察している。
宿は彦根城の美しさをアピールするべく、お城正面の好立地『彦根キャッスルホテル』さんに決め、HPからの直接予約がお得な「ビジネスプラン・ツインルーム2名利用/一部屋14,000円」に、朝食1,260円を2日分プラスした。お部屋から見える景色の事で問い合わせた際、フロントの方がとても親切にお答えくださって助かった。ありがとうございす(^ ^) ※ちなみに、ビジネスプランとは「素泊まり」で、ツインルームにすると「お城側」のお部屋を選べます。
新幹線は往復共に保険をかけて指定席にしたけれど、行きの東京〜米原間は回数券で11,200円、帰りの京都〜東京はひかり早得切符で11,500円と、大分節約することができた。うふ♪


出発時の千葉は雨が降っていたけれど、この先2日間の現地は晴れ予報。折り畳み傘で一人ドデカイ荷物を携え、東京駅で母と合流。国産の食材ばかりを使用しているおにぎりやさんで朝食を調達し、新幹線は8時36分・東京駅を出発。
東海道新幹線(と言うか旅行)と全く無縁の母は、新幹線に乗車しただけでも浮き浮きのご様子。新幹線が動き出したり、車窓から見える景色を見ては「もう○○(地名)なのね!」と、スピードの速さに感動していた。

乗車中は簡単な井伊家のお話だとか、世間話を思うがままにしていたらあっという間に米原着。2番線に乗り換えて、やって来ました彦根駅。懐かしいなぁ〜、駅前のロータリーと、目の前に広がる金亀山にそびえ建つ彦根城!! 天候は曇り。気温も暑くもなく、寒くもなく、過ごしやすいのがありがたい。

『彦根キャッスルホテル』さんに送迎をお願いし、5分程度でホテル到着。チェックイン前でしたが手荷物を預かっていただけ、更に部屋まで運んでおいてくださるとのこと。助かります♪

さて。本日は琵琶湖・竹生島と、井伊直孝建立の龍潭寺観光の予定。竹生島までのフェリー“オーミマリン”が出ている彦根港に行く前に、珈琲処『ござれ』さんで一服。念願のゆず茶を、母はホット、私はアイスで頂いた。ゆずを皮ごとスライスしてあるジャム(多分お手製!!)が入っていてとても美味しー♪
甘い中にもゆずの風味が心地よく疲れも吹っ飛んだ所で、移動に便利な「彦根ご城下巡回バス」の市民会館前バス停から彦根港へと向かいます。バス内には彦根ボランティアガイド協会のガイドさんが乗車していて、マイク片手に車窓えら見える景色について詳しく案内してくださいました。
バス運賃は1乗車200円。1日乗り放題なら龍潭寺拝観料・オーミマリン乗船料がそれぞれ1割引きの特典が付いて500円。乗車時ではなく下車時払いで、1日券は運転手さんから直接購入するようになっていました。
※尚、市民会館前バス停は、市民会館前ではなく、セブンイレブンを越えた先の本屋さん前にあるので要注意デス。

フェリーは出航5分前から乗船可能で、それ迄は待ち合い室でのんびり待機。
フェリーでは船内と2階デッキとお好みで乗れるとのことなので、風を感じるデッキにした。ほどなくしてフェリー離岸。防波堤を越える迄のんびりとしていたスピードが、沖に出てからぐんぐんと加速。ついには物凄いスピードで走るので、風をゴーゴーと切りながら水面を走ります。
海と違って波が少ないので、そんなに揺れないし、潮臭く無いし、何より景色が良い。船上からは長浜市が見えたり、霞かかった山々が神秘的だったりと、世界で3番目に大きい湖だけあって、昔の人が海と勘違いしたのが分かる位だだっ広い。方向によっては水平線が見えちゃう。
360度大パノラマの水辺は気分最高で、竹生島到着迄の40分は案外あっという間だった。
そうそう、途中ジェットバイクに乗った方々がフェリーの後ろにくっついてはジャンプしたり、なんか色々とやっていた。何かのパフォーマンスかと思ったけれど、よくよく考えれば「波」を求めてやって来たに過ぎないのよね(笑)

竹生島は音楽神・福徳神・学芸神等幅広い御利益のある弁財天を祀っていて、相方が音楽をやっているからあやかれればと思ってチョイス。島の周囲は2km程度で、標高は197mと小さく、人が往来できるのは港や土産物屋、神社・仏閣が建立されている南側のみ。※弁財天を祀る神社・仏閣は元は宝厳寺1つだったのが、明治時代の神仏分離令で竹生島神社が分離したそうだ。
それぞれが急斜面に立地している事は知っていたものの、入港して“島を見上げる程の”急斜面にビックリ!! 入島料(入山料の代わり)400円を支払い、母も私も神社・仏閣に続く階段前で気合いを入れてから、一段一段石段を登る。「よいしょ」だなんて、言っていられない位急です(笑)
まずは石段途中の右の道を進んで竹生島神社に立ち寄る。
こちらの本殿は450年前に豊臣秀吉が寄進した伏見桃山城の束力使殿を移転した物で、国宝。常行殿拝殿は琵琶湖に面し、突き出した部分が景勝地となっていて、実に爽快な眺め。眼下には竜神拝所があり、拝殿からは厄除けの「かわら投げ」ができるので、やってきた。
頂いたかわらは丸い小皿のような形で直径は5cm程度。2枚1セットで、皿の裏面の1つに名前、もう1つにはお願い事を書いて、名前を書いた方から鳥居に向かって投げるというモノ。先にかわら投げをしていた2人の男性でも鳥居の側に着地できず、、、。案外難しい事が予想されつつ、名前とお願い事を皿に記す。さて、ワタシの投げた皿ですが、名前はなんとか鳥居の前に落ちましたが、お願い事は右の草むらに逸れてしまいました(汗)  竜神様、お願い致します(-人-)

来た道を戻り、天へと続くような石段を登りきると、宝厳寺に到着。本堂でお参りをし、三重の塔、片桐且元手植えのモチの木を見て、来た道とは違う階段を降りると国宝の唐門と、重要文化財で西国三十三箇所観音霊場の第30番札所の観音堂前に到着。
ココ迄で帰りのフェリーの時間が近付いていたので観音堂の中には入らなかったけれど、唐門の彫刻は実に雅び。これは桃山時代の作品で、京都の東山にあった豊臣秀吉の霊廟である「豊国廟」の極楽門を移築したと言われているそうだ。風化した建物の色や屋根に生えた苔を見ていると時代や歴史を感じずにはいられず、側で咲いているくちなしの花とのコントラストが何とも言えない雰囲気を醸し出していた。港に向かうのが、ちょっと名残惜しい。
最初に登って来た階段へと戻り、登る時にスルーした湖底下約130mから汲み上げた「瑞祥水」を頂く。軟水で適度に冷えていて口当たり軟らか。

そういえば、、、隣にある手水舎の水口も、この「瑞祥水」の水口も、宝厳寺や竹生島神社の手水舎の水口も総べてが龍をモチーフにしている。竹生島神社には竜神拝所もあったし、近江エリアは竜神信仰地域なんだねぇ。
港に戻り、帰りのフェリー到着迄の間しばし休憩。私、張り切って階段を登ったからなのか、リュックの背中部分が蒸れたのか判りませんが・・・軽い熱射病の一歩手前(笑) 水分を摂取し、首の後ろを冷やしてみたものの、ちょっぴり・・・・具合悪(笑)
この先の事を考えてどうしようかと思っていたけれど、フェリーのデッキで40分風に当っていたらCool Downに成功。彦根港に戻る頃には無事に回復しておりました(^ ^)9

彦根港で「彦根ご城下巡回バス」到着を10分程度待ち、目指すは佐和山と弁天山との間に位置する龍潭寺。
龍潭寺は、井伊の始祖である藤原共保以来の井伊家の菩提寺で、奈良時代に遠江の国(現在の静岡県)井伊谷に開基されたものを井伊直政が佐和山城城主になった事を機に移築。当時は学僧が学ぶ、大道場だったそうな。※現在でも静岡に龍潭寺はあります。
バスには7分程度乗車してお寺前に止まるバス停に到着。山の梺のとても静かな場所で、龍潭寺の側には井伊神社と、大洞弁財天 長寿院に続く山道があり、緑も色濃く、清々しい。
龍潭寺に続く参道には手入れの行き届いた竹垣や紅葉(楓?)などが空を覆う程茂り、地表は黄緑色が眩しい苔がびっしりと生え、幅20cm程度の溝には綺麗な水が流れていて実に奥ゆかしかった。ワタシの乏しいイメージでは、京都に居る感じ? 途中石田三成の銅像があり(ここは三成の菩提寺でもあるらしい)、さらに進むとなんとも言えない、実に味のある山門が見えて来ます。禅寺に相応しく、静寂に包まれた風景は自然と自分の心が穏やかになっていくようでした。しばしこの参道の木々を眺めていたかったのですが、立ち止まるとあっという間にシマ蚊が押し寄せてくるので大変でした(笑)
寺院内にお邪魔し、白砂に石を配した「ふだくらの庭」をしばし観賞。白砂上に細くてかわいらしい蛇がおりまして、ゆったりとはって行きました。その他、桃山時代に描かれたという木戸の絵や、篭、石田三成の肖像画なんかも展示されており、じっくり拝見させて頂きました。できれば裏手にあるという直弼の母の墓や、直弼の側室の文碑にも行きたかったのですが、時間もなく、行き方も判らずに断念しちゃいました。

バスが来る迄のちょっとの間、私一人、お隣の井伊神社にお邪魔する。井伊神社は、彦根藩12代藩主・井伊直亮が、井伊家の始祖井伊共保の750回忌に、井伊谷八幡宮から井伊大明神を分霊して神像を造り、祀ったのがはじめとされている。
鳥居を潜り、樹齢のいった木々の植わる参道を進み、5段程度の階段を登れば境内だったのですが・・・足長蜂が大量に飛んでいた。鈍っている野生の感ですら危険と判断したので引き返すことにした。遠めに見る限りでは、本堂は改修工事中なのか、屋根の一部にシートと、壁にフェンスが立てられていた。もっと側で長い時間見ていたかったけれど、ヤツら殺気立って警戒してたから泣く泣く戻りました(泣)

彦根の旅 夏・初日後編に続く。



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